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指定弁護士の「挙手」で控訴 [政治・社会]

少し驚きましたが、やはりそうか、という感想も持ちました。検察が二度も不起訴にして、地裁で「無罪」になった件について、検察の役回りをしているだけの「指定弁護士」が挙手で決めて控訴するとは。

新しい事実や証拠を、指定弁護士が提示できるとは考えられないし、これだけの時間と労力(と嘘)を積み上げても「無罪」だった判決が、どれだけ有能な弁護士なのかは知りませんがディベート力だけで「有罪」に持ち込めるとは、とても考えられません。

 であれば、何が目的でしょうか。9月の民主党総裁選への立候補を取りあえず「阻止」するために、「刑事被告人」のレッテルを張り続けることだけが目的なのだと考えるのが一番自然でしょう。

指定弁護士なるものを「指定」するプロセスの詳細は、私も知りませんが、反権力的な弁護士が指定されることはまず考えられず、意識的にも無意識的にも最高裁を頂点とする法曹界の「ご機嫌」を伺う傾向を持ってしまうのは、やむを得ないのかも知れません。

無罪が濃厚であるにも関わらず、いたずらに審議を長引かせることで、選挙で選ばれた政治家の活動を、弁護士たった3人の挙手で妨害し続けるのはどうしたものでしょうか。

 (追記)小沢元代表を追い詰めているグループは、やりすぎてしまったと思います。ここまでやってしまったため、日本人の気質から、小沢氏に同情が集まり始めると考えます。9月に向けて、「逆に」小沢待望論が高まって行くと予想します。「弾圧に屈しない政治家」として堂々と立候補すれば良いと思います。


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小沢元代表無罪判決について [政治・社会]

備忘録的に、検察審査会による強制起訴の一審判決が無罪になったことについて、書き留めておきたいと思います。

まず、報道は、「限りなくクロに近い無罪」と言うトーンが強く「小沢氏は無罪になっていても、道義的責任は免れない」「国会に出てきて釈明すべき」と言う論調が多く見られました。本当にそうなのか、過去に遡って私見を述べておきたいと思います。

2009年の3月に時間を戻すと、この時この問題は「西松建設事件」と呼ばれていた。東北の有力な(野党の)政治家である小沢元代表とその事務所から、西松建設から違法な献金を受け取り、世田谷に土地を購入した、と言う容疑だった筈である。この年の8月に、総選挙が予定されており、政権交代が見込まれる直前に、野党代表の秘書を「逮捕」した事件が事の始まりだった事を思い出して置きたい。

しかも、西松建設から献金を受け取っていた政治家は18人、そのうち15人は自民党議員だったにも関わらず、警察出身の漆間官房副長官が「自民党議員は対象にならない」とオフレコ取材で発言した。これは、「野党第一党の党首であるから、捜査対象になった」と言っているのと同義で、国策捜査であると認めたのと同じです。政権交代を何とか阻止したい当時の与党と官僚組織の思惑の結果始まったと考えるのが自然だと思います。

この点について、メディアは当初から、リーク情報を「垂れ流し」にして、意味も意図も不明確な「説明責任」「政治とカネの問題」という単語を連発していました。こちらにも、相応の「意図」があったのでは無いかと、少なくとも私は感じました。例えば、なぜか消費税の対象から外れている、新聞代とか、地上波放送という官との癒着の「大きそう」な放送権益とか・・。

当初、野党第一党の党首を上げるんだから、検察はそれなりの裏を取っているのかもしれないなぁ、政治家なんだから、綺麗ごとばかりじゃないだろうし、と私も思っていました。しかし、3年かけて、ありとあらゆる捜査をして、その結果が「不起訴」でした。一節では20億とも30億ともいわれる捜査費用と人員を投じても、小沢元代表を起訴することすら出来なかったということです。

それで何をしたかと言うと、検察審査会という制度を使って、素人の審査会のメンバーに恣意的に「嘘」の情報まで流して、強制起訴に持ち込んだのが今回の裁判でした。しかも「西松事件」なんて何処かに行ってしまい、容疑は「虚偽記載」。帳簿にちゃんと書かなかった、というだけの容疑です。しかもそれすらも、無罪です。

この「道義的責任」とか「説明責任」とか「限りなくクロに近い」と言うのはどういうことでしょうか。一体、この3年間に何があったのか、判る様に説明するのが「メディア」の責務ではないでしょうか。

また、民主党政権も、管、野田とマニフェストになかった消費増税をひた走ってます。官に取り込まれてしまったとしか考えられません。その意味で、現政権の誰もが「元代表の無罪」を喜ぶ風では無く、「最高裁まで行って無罪になったら(しぶしぶ)党員資格を復活させてもいいなじゃいの」と言っています。

次回の総選挙の争点は、消費増税を可とするか不可とするかになるべきです。民主党vs自民党では、そういう争点になりにくいでしょう。消費増税不可の軸を持つ勢力は元代表とその周囲の議員団しか無いと私は考えます。これは、官にとっても現政権にとっても自民党にとっても極めて「都合の悪い」状況です。スムーズに党員資格を回復し、次の民主党総裁選に立候補できることを、私は強く願いますが、困難は多いだろうなぁ、と思っています。


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野田新総理 [政治・社会]

今回の民主党総裁選も、マスコミは小沢対反小沢の構図を作りたがりました。海江田候補に対するあからさまなネガティブキャンペーンを張る事で民主党の浮動票に対して影響を加えようとしていたように思えました。

小沢グループには100人を超える同調者がいると言われています。民主党ではぶっちぎりの最大派閥です。これだけ多くの人が、前回の総裁選で負け、強制起訴され、党員資格を停止された人にそれでも着いて行くのでしょうか。空中分解しそうになった鳩山グループも、小沢グループと歩調を合わせるようになってから、結束が強くなっています。なぜでしょうか。マスコミはその辺の事情に全く触れようとしません。私は、権力志向には人は着いて来ないと思います。
そこに崇高な理念と実現に向けた意思があるから、同調者は着いて行くのだと思います。

野田新総理、実は余り期待していませんでした。財務官僚のいいなりで、財政至上主義の部分が垣間見れるからです。財政赤字だから増税をするというのは、極端な言い方をすれば、肝臓の調子が優れないからと言って、足から血を抜いて輸血をするようなものですから。

赤字は支出が収入を上回るから起こります。巨額の利払いは巨額の借金から発生します。持っている資産を可能な限り現金化し、借金の返済にあて、公務員の処遇と人数を減らし、寄生虫の様な天下り先を全て閉鎖し、国会議員の数と給与を半減し、国民総生産が増える(=税収が増える)施策を行いそれで足りない時に始めて増税が議論されるべきです。

自分たちに痛みが伴うこと、利権が減ることについては全て目をつぶり、増税だけを当たり前の様に主張する勢力に対して、「国民の生活が一番」という判りやすい政策を正面から貫いているのは、小沢グループと鳩山グループだけです。

しかし、野田新総理が党の要職である幹事長ポストに、小沢グループの輿石氏を口説き落としたのには驚きました。総裁選で勝った直後の演説で、ニヤリと笑って「もう、ノーサイドにしましょうよ」と言ったのは本音だったのでしょう。案外、小渕総理の様に地味に化けるかもしれません。何をしゃべっているのか判らない、海江田氏より余程良かったと思っています。小沢一郎が持っている理念の意思に、野田新総理の現実的な執行力が上手くマッチすれば、日本の政治に望みが持てるかもしれません。官僚・マスコミの抵抗が小さいことを祈りますが。
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広島原爆20個分の放射能汚染(記録のために) [政治・社会]

 私は東京大学アイソトープ総合センター長の児玉です。3月15日に、大変に驚愕しました。私ども東京大学には27カ所のアイソトープセンターがあり、放射線の防護とその除染などの責任を負っております。

 私自身は内科の医者でして、東大病院の放射線の除染などに数十年関わっております。まず3月15日の午前9時ごろ、東海村で5マイクロシーベルトという線量を観測しまして、それを文科省に第10条通報ということで直ちに通報いたしました。

 その後東京で0.5マイクロシーベルトを超える線量を検出しました。これは一過性で[すぐに]下がりまして、そのあと3月21日に東京で雨が降り0.2マイクロシーベルト等に線量が降下し、これが今日までの高い線量の原因になっていると思っております。この時に枝野官房長官が、さしあたり健康にあまり問題がないということをおっしゃいましたが、私は実際にこの時にこれは大変なことになると思いました。

 なぜなら現行の放射線の障害防止法というのは、高い線量の放射線が[特定の場所に]少しあることを前提にしています。この時は総量はあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります。

 ところが今回の福島原発の事故というのは、100キロ圏で5マイクロシーベルト、200キロ圏で0.5マイクロシーベルト、さらにそれを越えて、足柄から静岡のお茶にまで汚染が及んでいることは、今日、すべてのみなさんがご存じの通りであります。

●放射線の個々の濃度でなく総量を見ないと

 われわれが放射線障害をみるときには総量を見ます。それでは政府と東京電力はいったい今回の福島原発事故の総量がどれぐらいであるか、はっきりとした報告はまったくしていません。

 そこで私どもがアイソトープセンターの知識をもとに計算してみますと、まず熱量の計算では広島原爆の29.6個分に相当するものが漏出しております。ウラン換算では20個分のものが漏出しています。

 さらに恐るべきことには、これまでの知見で、原爆による放射能の残存量と、原発から放出されたものの残存量は1年経って、原爆が1000分の1程度に低下するのに対して、原発からの放射線汚染物は10分の1程度にしかならない。

 つまり今回の福島原発の問題はチェルノブイリ事故と同様、原爆数十個分に相当する量と、原爆汚染よりもずっと大量の残存物を放出したということが、まず考える前提になります。

 そうしますと、われわれはシステム生物学というシステム論的にものをみるやり方でやっているのですが、総量が少ない場合には、ある人にかかる濃度だけを見ればいいです。しかしながら総量が非常に膨大にありますと、これは粒子の問題です。

 粒子の拡散というのは、非線形という科学になりまして、われわれの流体力学の計算ではもっとも難しいことになりますが、核燃料というものは、砂粒のようなものが、合成樹脂のようなものの中に埋め込まれております。これがメルトダウンして放出されるとなると、細かい粒子がたくさん放出されるようになります。そうしたものが出てまいりますと、どういうことがおこるかというのが今回の稲藁の問題です。

 例えば岩手の藤原町では、稲藁5万7000ベクレルパーキログラム、宮城県の大崎1万7000ベクレルパーキログラム、南相馬市10万6000パーキログラム、白河市9万7000パーキログラム、岩手6万4000パーキログラムということで、この数値は決して同心円上にはいかない。どこでどう落ちているかということは、その時の天候、また例えばその物質が水を吸い上げたかどうか、にかかります。

●計測器を大量投入して徹底的な測定を

 今回の場合も、私は南相馬に毎週行っています。東大のアイソトープセンターは現在までに7回の除染を行っていますが、南相馬に最初にいったときには1台のNaIカウンターしかありません。農林省が通達を出した3月19日には、食料も水もガソリンも尽きようとして、南相馬市長が痛切な訴えをウェブに流したのは広く知られているところであります。

 そのような中で通達1枚を出しても誰も見ることができないし、誰も知ることができません。稲藁がそのような危険な状態にあるということは、まったく農家は認識されていない。農家は飼料を外国から買って、何十万という負担を負って、さらに牛にやる水は実際に自分たちが飲む地下水にその日から代えています。

 そうすると、われわれが何をやらなければいけないのかというと、まず汚染地で徹底的な測定ができるように保障しなければいけません。われわれが5月下旬に行ったときに1台しか南相馬になかったというけれど、実際には米軍から20台の個人線量計が来ていました。しかしその英文の解説書を市役所の教育委員会で分からなくて、われわれが行って教えてあげて、実際に使いだして、初めて20個での測定ができるようになった。それが現地の状況です。

 それから先程から食品検査と言われていますが、ゲルマニウムカウンターというのではなしに、今日ではもっとイメージングベースの測定器が、はるかにたくさん半導体で開発されています。なぜ政府はそれを全面的に応用してやろうとして、全国に作るためにお金を使わないのか。3カ月経ってそのようなことが全く行われていないことに私は満身の怒りを表明します。

●単なる全身スキャンは意味ない

 第2番目です。私の専門は、小渕総理のときから内閣の抗体薬品の責任者でして、今日では最先端研究支援ということで、30億円をかけて、抗体医薬品にアイソトープをつけて癌の治療をやる、すなわち人間の身体の中にアイソトープを打ち込むのが私の仕事ですから、内部被曝問題に関して、一番必死に研究しております。

 そこで内部被曝がどのように起きるかということを説明させていただきます。内部被曝の一番大きな問題は癌です。癌がなぜ起きるかというと、DNAの切断を行います。ただしご存知のように、DNAというのは二重らせんですから、二重のときは非常に安定的です。

 それが細胞分裂するときは、二重らせんが1本になって2倍になり、4本になります。この過程のところがもの凄く危険です。そのために妊婦の胎児、それから幼い子ども、成長期の増殖の盛んな細胞に対しては、放射線障害は非常な危険性を持ちます。

 さらに大人においても、増殖の盛んな細胞、例えば放射性物質を与えると、髪の毛に影響したり、貧血になったり、それから腸管上皮に影響しますが、これらはいずれも増殖の盛んな細胞でして、そういうところが放射線障害のイロハになります。

 それで私たちが内部に与えた場合のことで知っている事例を挙げます。これは実際には1つの遺伝子の変異では癌はおこりません。最初の放射線のヒットが起こったあとにもう1個の別の要因で、癌への変異が起こるということ、これはドライバーミューテーション
とか、パッセンジャーミューテーションとか、細かいことになりますが、それは参考の文献をつけてありますので、後で、チェルノブイリの場合や、セシウムの場合を挙げていますので、それを見ていただきますが、まず一番有名なのはα線です。

 プルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいると聞いて、私はびっくりしましたが、α線は最も危険な物質であります。それはトロトラスト肝障害というところで、私ども肝臓医は、すごくよく知っております。

 要するに内部被曝というのは、さきほどから何ミリシーベルトという形で言われていますが、そういうのは全く意味がありません。ヨウ素131は甲状腺に集まります。トロトラストは肝臓に集まります。セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります。これらの体内の集積点をみなければ全身をいくらホールボディスキャンしても、まったく意味がありません。

●20年以上かかる内部被曝の疫学的証明

 トロトラストの場合、これは造影剤でして、1890年からドイツで用いられ、1930年頃から日本でも用いられましたが、その後、20から30年経つと肝臓癌が25%から30%起こるということが分かってまいりました。最初のが出て来るまで20年というのが何故かと言うと、トロトラストはα線核種なのですが、α線は近隣の細胞を障害します。そのときに一番やられるのは、P53という遺伝子です。

 われわれは今、ゲノム科学ということで人の遺伝子の配列を知っていますが、一人の人間と別の人間はだいたい300万カ所違います。ですから人間を同じとして扱うような処理は今日ではまったく意味がありません。いわゆるパーソナライズ・ドメディスンと言われるようなやり方で、放射線の内部障害を見るときにも、どの遺伝子がやられて、どのような変化が起こっているかということをみることが、原則的な考え方として大事です。

 トロトラストの場合は、第一の段階でP53の遺伝子がやられて、それに続く第2、第3の変異が起こるのが20年から30年かかり、そこで肝臓癌や白血病が起こってくることが証明されています。

 次にヨウ素131、ご存知のように甲状腺に集まりますが、成長期の集積がもっとも特徴的であり、小児に起こります。しかしながら1991年に最初、ウクライナの学者が甲状腺癌が多発しているという時に、日本やアメリカの学者は、[科学雑誌]「ネイチャー」に、これは因果関係が分からないということを投稿しております。なぜかというと1986年以前のデータがないから統計学的に有意だということが言えないということです。

 しかし統計学的に有意だということが分かったのは、20年後です。20年後に何が分かったかというと、86年から起こったピークが消えたために、過去のデータがなくても因果関係があるということがエビデンスになった。ですから疫学的な証明というのは非常に難しくて、全部の症例が終わるまでだいたい証明できないです。

 ですから今、われわれに求められている子どもを守るという観点からはまったく違った方法が求められます。そこで今、行われているのは国立のバイオアッセ―研究センターという化学物質の効果を見る、福島昭治先生という方がチェルノブイリの尿路系に集まるものを検討されていまして、福島先生たちが、ウクライナの医師と相談して500例以上のある症例を集めています。

 前立腺肥大のときに手術をしますと膀胱もとれてきます。これを見まして検索したところ、高濃度の汚染地区、尿中に6ベクレルパーリットルと微量ですが、その地域ではP53の変異が非常に増えていて、しかも増殖性の前癌状態、われわれから見ますと、P38というMAPキナーゼと、NFカッパーBというシグナルが活性化されているのですが、それによる増殖性の膀胱炎というのが必発性でありまして、かなりの率で上皮内の癌ができているということが、報告されています。

●きめ細かい除染で子どもを守る

 それでこの量に愕然といたしましたのは、福島の母親の母乳から2~13ベクレル、7名から検出されているというがすでに報告されていることであります。われわれアイソトープ総合センターでは、現在まで毎週だいたい4人ぐらいの所員を派遣しまして、南相馬市の除染に協力しております。

 南相馬でも起こっていることはまったくそうでして、20キロ、30キロという分け方はぜんぜん意味が無くて、幼稚園ごとに測っていかないと全然ダメです。それで現在、20キロから30キロ圏にバスをたてて、1700人の子どもが行っていますが、実際には南相馬で中心地区は海側で、学校の7割は比較的線量は低いです。

 ところが30キロ以遠の飯館村に近い方の学校にスクールバスで毎日100万円かけて、子どもが強制的に移動させられています。このような事態は一刻も早くやめさせてください。今、一番その障害になっているのは、強制避難でないと補償しないということ。参議院のこの前の委員会で当時の東電の清水社長と海江田経済産業大臣がそのような答弁を行っていますが、これは分けて下さい。補償問題と線引の問題と、子どもの問題は、ただちに分けて下さい。子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします。

 それからもう1つは現地でやっていて思いますが、緊急避難的除染と恒久的除染をはっきりわけていただきたい。緊急避難的除染をわれわれもかなりやっております。例えば図表にでています滑り台の下、ここは小さい子どもが手をつくところですが、滑り台から雨水が落ちて来ると毎回ここに濃縮します。右側と左側にずれがあって、片側に集まって
いますと、平均線量1マイクロのところですと、10マイクロの線量が出てきます。こういうところの除染は緊急にどんどんやらなくてはなりません。

 またコケが生えているような雨どいの下、これも実際に子どもが手をついたりしているところなのですが、そういうところは、高圧洗浄機を持って行ってコケをはらうと2マイクロシーベルトが0.5マイクロシーベルトにまでなります。

 だけれども、0.5マイクロシーベルト以下にするのは非常に難しいです。それは建物すべて、樹木すべて、地域すべてが汚染されていますと、1か所だけを洗っても全体を下げることは非常に難しいです。

 ですから除染を本当にやるときに、一体どれぐらいの問題があり、どれぐらいのコストがかかるかといことを、イタイイタイ病の一例であげますと、カドミウム汚染地域、だいたい3000ヘクタールなのですが、そのうち1500ヘクタールまで現在、除染の国費が8000億円投入されています。もしこの1000倍ということになれば一体どれだけの国費が必要になるのか。

●新しい法律が必要

 ですから私は4つのことを緊急に提案したいと思います。第1に国策として、食品、土壌、水を、測定していく。日本がもっている最新鋭のイメージングなどを用いた機器を使って、半導体のイメージング化は簡単です。イメージング化して流れ作業にしていくという意味での最新鋭の機器を投入して、抜本的に改善してください。これは今の日本の科学技術でまったく可能です。

 2番目。緊急に子どもの被曝を減少させるために、新しい法律を制定してください。私の現在やっていることはすべて法律違反です。現在の障害防止法では、核施設で扱える放射線量、核種などは決められています。東大の27のいろいろなセンターを動員して南相馬の支援を行っていますが、多くの施設はセシウム使用権限など得ていません。

 車で運搬するのも違反です。しかしお母さんや先生たちに高線量のものを渡してくるわけにはいきませんから、今の東大の除染では、すべてのものをドラム缶に詰めて東京にもって帰ってきています。受け入れも法律違反、すべて法律違反です。このような状態を放置しているのは国会の責任であります。

 全国の国立大学のアイソトープセンターには、ゲルマニウムをはじめ最新鋭の機種を持っているところはたくさんあります。そういうところが手足を縛られたままで、どうやって、国民の総力をあげて子どもを守れるでしょうか。これは国会の完全なる怠慢であります。

 第3番目、国策として土壌汚染を除染する技術に、民間の力を結集して下さい。これは例えば東レとかクリタだとかさまざまな化学メーカー。千代田テクノルとかアトックスというような放射線除去メーカー、竹中工務店などは、放射線の除染に対してさまざまなノウハウを持っています。こういうものを結集して、ただちに現地に除染研究センターを作って、実際に何十兆円という国費をかかるのを、今のままだと利権がらみの公共事業になりかねないいう危惧を私は強くもっています。国の財政事情を考えたら、そんな余裕は一瞬もありません。どうやって本当に除染をやるか。7万人の人が自宅を離れて彷徨っているときに国会は一体何をやっているのですか。[4番目の提言がないのは時間切れのためか?]以上です。

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東電からの応援融通??? [政治・社会]

節電が功を奏したため、電力使用量が10-15%減ったので、東京電力から東北電力や関西電力への融通を検討しているとの、東電の藤本副社長のコメント。以下、日経新聞より。

-----------(7/12、日経新聞より)------------------

東京電力の藤本孝副社長は11日、日本経済新聞のインタビューに応じ、1日から実施されている電力使用制限令に基づき「同じ気温でみた場合に10~15%程度電力使用量が減り、夏場は乗り切れるメドがつきつつある」と指摘した。その上で、東電よりも需給環境が厳しい西日本の電力各社に対し「要請があれば、応援融通を検討しなければならない」と述べた。

 夏の供給余裕が出た場合、その日の需要に応じて他電力への一時的な融通を検討する。藤本副社長はまずは同じ周波数の電力を使う東北電力への融通を優先するが、西日本の電力会社から要請があれば応じる可能性を示した。

 電力が全国で不足しているため「オール電力(会社)でカバーしなければいけないのは、電力会社として必要な考え方」としている。

 だが東電管内は電力使用制限令で利用者に節電を強いているのに対し、西日本の電力会社の節電要請は顧客の自主的な対応に任されている。

利用者への節電要請を緩める方が先ではないか、との指摘に対しては「計画停電をなんとしても避けるため、需給には余裕を持ちたい」とした。他電力に供給を検討する一方で、現段階で節電要請の緩和は難しいとの考えを示すもので、波紋を呼ぶ可能性もある。

 足元の需要については9日(土)のピーク需要は前日8日(金)よりも約100万キロワット多かったことから、自動車業界を中心とした休日操業など「製造業の土日シフトの効果がかなり出ている」との見方を示した。

 今後も「節電が着実に実施されれば、需要の見通しを見直す」として電力需給環境が好転する可能性を示唆した。

 ただ暖房需要が膨らむ冬までに柏崎刈羽原発(新潟県)で定期検査中の2基の再稼働ができない場合には、今冬の電力需給が厳しくなる。藤本副社長は今冬の電力使用制限令の可能性については「政府が決めること」としたうえで、「昨冬のピーク需要(5150万キロワット)と同じ供給力を確保できる状況にない」として、夏と同様に一定の節電が必要になるとの考えを示した。

--------------(以上、日経新聞より)--------------

春に輪番停電をやって、あれだけ節電の必要性を政府、電力、マスコミが一丸となって騒ぎ続けたのは一体なんだったのだろうか。その結果、例年の数倍の熱中症死者を出しているというのに。節電でこれだけ需要を減らせるのなら、中部電力も関西電力も節電努力を行なわせるのが筋だろう。

透けて見えるのは、

①原発が無くなると大変だぞ、というキャンペーンをし続けてきたが、結構節電と代替電力で賄えてしまえることが明らかになり始めて困っている。

②この上、関西電力、中部電力の管内で大規模に節電を始めて、「やっぱり原発止めても何とかなるじゃないか」というコンセンサスが出来上がるのは、何としても避けたい。

③中部・西日本の電力需要をなるべく下げずに、日本の電力需要全体を一定程度確保したい。

ということだろう。一言加えると、こんな内容を無批判にさらっと掲載してしまう日経新聞も同罪だろう。

東京電力の管内でも、便乗節電が横行している。そもそも、ピーク時の需要だけカットすれば良いのに、公共交通機関のエレベーターやエスカレーターが一日中止められているのは何故だろうか。ほんの事例に過ぎないが、例えば、レインボーブリッジのライトアップ、どう考えてもピーク需要カットとは関係ないと思われる。

ではなぜピーク需要と関係のないところでこうした便乗節電が横行するのか。彼らの頭が悪いのか。いや違うだろう。巧妙に、行政と東電が一体になって、「原発が無いとこんなに世の中暗くなるんだぞ」というプロパガンダをしていると考えるのが自然だと思うがどうだろうか。

週末、我が家の廊下の電球が切れたので、ホームセンターに行った。LEDの電球って2・3千円するんですね、たった一個が。こんな茶番のために、電球に数千円も使う気にとてもなれません。

 


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松本元復興相 [政治・社会]

お久しぶりです。

松本復興担当大臣があっという間に辞任した。「暴言」が原因で辞任したと言われているが、彼が言ったことは、「地元もアイデアを出しなさい」「来客はちゃんと迎えなさい」ということで、その内容自体が攻められる程のことも無かったのではないかと考えます。

では、何がマスコミや我々の気に触ったのでしょうか。内容では無くて、言い方とタイミングだったのだと考えます。本当に相手を教育するつもりがあるのであれば、人の見ていないところで、そっと、「ああそうそう、さっきはカメラが回っていたから言わなかったけど、人を迎えるときは、待たせずにちゃんとした方がいいよ。そんな事で来客の気分を害しても仕方ないからね」と言ったり、「地元の実情に一番詳しいのは皆さんなのだから、出来る限りアイデアを出して欲しい。そして一緒にディスカッションさせて欲しい」という言い方をすれば良かったのだと思います。

 では、何故松本復興相はああいう言い方をしたのか。これは、相手に真意を伝えたり、本当に協力をしたりすることをそもそも目的にしていなかった、と思われます。では、何が目的だったのか。日常的にもああいう場面に遭遇することはあります。初めて会ったのに、何だかとても機嫌が悪い人。理由も無く高圧的な態度をとる人。概ねの場合、そういう行動を取ることで相手を萎縮させ、上下関係を形成することを目的にしています。松本大臣は典型的なケースに見えました。俺はお前より偉いんだぞ。もっと気を使え、ということです。

恐らく彼の場合、これまでの人生もあの手法で成功してきたのだと思います。ただ、萎縮した人間が、本当に役に立つアイデアを出すでしょうか。「この人と一緒に復興に尽力したい」と汗を流す気になるでしょうか?松本元大臣の罪は、暴言そのものでは無くて、そのことによって復興自体がより質的におとり、より時間がかかり、おざなりになる可能性について全く考慮しなかったことにあると思います。


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福島原発に捧ぐ・・ [政治・社会]

何だか原発は悪くないのになぁ、と思っていたら、Bellissimaさん のブログで、こんなステキな詩を見つけました。

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原子力発電所にありがとうを
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今までありがとう
あなたが作る明かりが
ぼくたちの支えになっていました

そういえば あれもこれも
あなたが振り絞るちからがあったから成し遂げられたこと
感謝してもしきれないくらい

ですからそのまま 冷めてしまってもいいんですよ
本当にご苦労様でした 少し休んでください

あなたは多くの猛勤な研究者と
ごく一部の心無い人間の 利権が絡んで作りあげられてきたもの
善悪・薬毒・表裏が 紙ひとえの存在
とはいっても あれだけのちからを放ち
ぼくたちの生活に 想像を超える潤いをもたらしました

つまり
あなたの持っている原子炉ひとつひとつが生き物であって
意思や意識を持っている
それを敵視するのはどうも筋が違うような気がします
そうです
だから暴れようとするんです

なぜなら その原因を作ったのは「人や利権」です
あなたが悪いわけではありませんし
冷めない燃料棒や使用済み燃料に悪意はありません

ですからこうしましょう
みんなでねぎらいの言葉
かけてあげませんか

どうもありがとうと
どうかお休みくださいと

人の命も 尊いように
豊かな海や森を大地を
ぼくたちは大切にしたいから

これからも大切にするから
二度と怒らせたりしないからと
言葉をかけてあげませんか

ありがとう
あなたに叱られて
ぼくたち少しは学べましたと

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福島にこの祈りを届けたいので
どうか皆さん転載をお願いいたします
みなの祈りが通じます
現場の方々 無事に帰していただけます
離れて避けておられる大勢の方 お家に戻れます
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日本人全員が今後問われる葛藤 [政治・社会]

原子力発電所には「推進派」と「反対派」がある。かつて朝まで生テレビという番組で双方が激論をしたこともあった。「激論」と言うと一つの論点で双方が議論をするような感じがするが、議論は全くかみ合わず、反対派は、ありとあらゆる側面から危険性を訴え、推進派は化石燃料の枯渇、環境問題、電力需要の伸びを考慮すると、原子力をある程度使わないと国民生活が維持出来ない、と主張を続けるのみであった。 

誰だか忘れたが、批評家の一人が、「日本では自動車で毎年5000人~1万人の人が死ぬが、自動車反対派と推進派に分かれた議論をすることは無い・・」と言っていたのがとても強く印象に残った。 

私としては、どちらを選ぶか?と突き詰めて質問をされるような立場には無いため、旗色を鮮明にしたことは無いのですが、心情的には、心のどこかで原発を容認してきていたように思います。資源を持たない国がこれだけの人口に豊かな生活を送らせるためには、電力を使って品質の高い製品を作り続けることと、電化した公共輸送機関を持つことが必要不可欠だと考えるからです。

自動車も、普及当初は「交通戦争」と言われ毎年1万人以上の死者を出していたのが、道路の整備、自動車の安全性の向上、交通教育などに国中を上げて取り組んだ結果、昨年の死者は5000人以下にまで減少しています。 

原子力を全否定することは、日本経済の成長の鈍化、もしくは縮小、国民の収入・生活レベルの悪化・劣化、を受け入れる覚悟が無いと出来ないことだと思います。成長期で伸び盛りの日本にとってはとても受け入れられない選択肢だったと思います。 

今回、原子力というものが、関係者が言っていたほど安全なものでもクリーンなものでも無いことが判ってしまいました。福島での事故がどういう形で収束しようとも、今後、国家として原子力というものと、どのように向き合うのか国民一人一人が考えなければならない時が早晩来ると思います。大きく分けて道は二つです。 

一つ目は原発を少しずつ閉鎖し、総電力使用量を向こう何十年かの間で、ダイエットのように減少させながら、製造業を少しずつ縮小し、国民生活を今より質素なものに変えていく道。 

二つ目は今回の事故の経験を最大限生かして、国中の原発の安全性を更に向上させ、今後も度々は起こるであろう原発の事故は「仕方の無いもの」として受け入れるていくことで生活レベルを維持する道。 

原発は嫌だけど、生活レベルは下げたくない、という選択肢は残念ながら無いと思います。


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放射線について [政治・社会]

政府と東京電力が原子炉の中の燃料棒が高温で融けたことを「炉心溶融」という表現を使っていることから、海外のメディアはこれをMelt Down(メルトダウン)と訳して報道しているため、チェルノブイリを自動的に想起して「日本は大変なことになっている」と思われているようです。

海外の人たちから妙に同情的なお見舞いメールが届くのですが、基本的に東京エリアでは、放射線量が増えた、と言っても、私が海外出張するときに乗る国際線(高度が高いので微量の宇宙線を浴びる)よりもはるかに低い数値だし、「何倍にもなった」といわれるけど、ゼロが何倍になってもゼロだよ、と言うレベルの話だし困ったものです。

確かにあの発電所のある土地(せいぜい数キロ四方)は将来的にも使えない土地になり、我々が生きている間はずっと立ち入り禁止になるのだと思います。でも、想定していたM8.2の16倍の規模の地震に見舞われても、発電所の施設自体は持ちこたえたし、想定を上回る津波で、炉心のクールダウン機能が全部流されてからの東電の対応は理にかなっていると思います。政府が絡むせいでコミュニケーションが上手くとれないけど。

外資のいくつかの会社では過剰反応をして、拠点を香港に移したり、大阪のオフィスを探し始めたり、全員自宅待機にしたりしてるけど、リスク管理はリスクの大きさをある程度頭に置いてやらないと、ただの過剰反応です。そうそう、我が家のもう一人が、放射線を避けるために晴れてるのに傘さして歩いてる人を知ってるそうです。みんな似たりよったりですけどね。


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非常時に思う [政治・社会]

久しぶりの更新。自分の所の従業員は全部無事で、海外から「大丈夫?」との問い合わせが入り続ける。不便が続いたり、停電や交通に惑わされると何かを批判したくなるけど、次のように心がけてます。

1.批判しない

JR東日本の対応に、石原知事が「許せない」というコメントをワザワザ出していたが、不眠不休で何とか安全に動かそうとしている人たちのモラルを下げるだけで何の効果も無い。同様に、原発反対派から「だから言ったでしょう」的コメントが聞こえてくるが、文字通り命をかけて原発に取り組んでいる人・その家族のことを思えば、今言うセリフでは無いはず。東京電力、公共交通機関、政府、事業者、不慣れな中で出来る限りのことをしているのだから、批判は落ち着いてからにしたいです。

2.日常に戻ったふりをする

後ろ向きなニュースフローにさらされると、常に非常時感が付き纏います。また、東北の人々の生活を思うと、何だか自分が楽しいことをしてはいけないような気分になります。例えば、自分が娯楽を我慢したからと言って、全く被災者の役には立たないことを覚えておきたいです。かえって、景気の「気」の部分にマイナスに作用するだけです。

加えて、いつものことながら、「不謹慎バッシング」が始まらないように気をつけたいです。「このご時世に何を浮かれたことを・・」と言った一見常識的な態度・言葉が国全体をウツっぽくします。元気な人はいち早く日常に戻り、今までどおり、今まで以上に元気に振舞うべきです。

3.情報を疑い、柔軟に構える

既に「市原のタンクの爆発で空気が汚染してるから、レインコート着て歩いた方がいい」と言ったデマが流れています。こういったデマは多くの場合、善意に乗って流布されます。人に情報を広めること自体を少し待つのと、情報自体を疑ってかかる姿勢が必要です。計画停電、交通情報、列車運行情報、非常時は意図せずしてこういう情報も間違ってしまうことを既に経験しました。100%信じず、代替案を心がけるようにしたいと思います。

4.多分、長引く

数日の試練なら、人間は無理できますが、長期間になると無理が利かなくなります。歩いて帰ったり、何時間もかけて通勤したり帰宅したりすることは、多くの人の場合、半年続けろと言われたら出来ないでしょう。仕事も大事ですが、こういう時に遅れようが、キャンセルしようが、早退しようが、何とかなるはずです。今の状態が相当長引く前提で、無理しないようにしたいです。

 


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尖閣諸島問題について考えてみた [政治・社会]

学生の時のゼミ論文で中国の近代政治史について取り上げたことがあります。1983年のことでした。江青ら4人組による文化大革命の嵐が収束し、鄧小平が復権し、「改革開放路線」の端緒についたばかりの国で、30年弱の間でこれほどの大国になるとは、夢にも思いませんでした。

尖閣諸島を中国では「釣魚台」と呼ぶことに気が付いて、江青の事を思い出しました。毛沢東の正妻であった彼女は、釣魚台国賓館という中国の迎賓館(現在はホテル)を独占して居住していたからです。

そもそも、中国政府が尖閣諸島の領有権について主張を始めたのが1970年ですので、ちょうど文化大革命時代のことです。海底資源が発見された時期と符号する・・という見方と同時に、この「釣魚台」と言う名前自体が原因の一つだったのかもしれません。

その後、尖閣諸島の問題について鄧小平が1978年日本記者クラブで以下のように述べています。

尖閣諸島を中国では釣魚島と呼ぶ。名前からして違う。確かに尖閣諸島の領有問題については中日間双方に食い違いがある。国交正常化の際、両国はこれに触れないと約束した。今回、平和友好条約交渉でも同じように触れないことで一致した。中国人の知恵からしてこういう方法しか考えられない、というのは、この問題に触れるとはっきり言えなくなる。こういう問題は一時棚上げしても構わない、次の世代は我々より、もっと知恵があるだろう。皆が受け入れられるいい解決方法を見出せるだろう

鄧小平が四人組との凄惨な死闘の末、政治の表舞台に復活したのが、1977年ですから、その翌年のコメントです。まだ、彼の政治的な基盤は不安定で不確かで、気を抜くといつ保守派の巻き返しをいつ食うか判らない中で、日中平和友好条約の締結に来日した際のコメントです。

四人組が領有権を主張した尖閣諸島について、その非正当性について、恐らく認識しながらも、それを言うことが出来ない苦汁の言葉だと、個人的には理解しています。

その後の、中国の政権は反日教育をしようとした江沢民の時代を除いて、概ね知日派、心情的な親日派が続いていると思われます。鄧小平の実質的な後継者で、中曽根元首相との親交も厚かった、胡耀邦も親日派でした。Wikipediaで知ったのですが、中曽根当時首相が、1986年から靖国神社の参拝を辞めたのは、「(私の靖国参拝によって)親日派である胡耀邦が中国共産党内の批判にさらされて失脚する可能性があったからだ。それはどうしても困ることだったから」という理由だったそうだ。事実、胡耀邦は親日であることが攻撃対象の一つとなって、その後失脚することになります。

このように、中国の改革開放路線の政治家は周恩来・鄧小平以来、親日・知日派が多い一方、そのことが保守派から見れば弱点となり、アキレス腱となりうる。温家宝も胡錦濤も、この胡耀邦に繋がる改革開放路線の政治家です。昨年、温家宝が東京に来て早稲田大学で福原愛と楽しそうに卓球に興じて居たのは記憶に新しいと思います。

その温家宝をして、漁船の船長の即時無条件釈放を言わしめるのは、日本でも民主党でもなく、中国国内で未だ健在の保守派ではないだろうか、と容易に推測されます。事あるごとに、反政府的なデモを扇動し、格差意識を過度に刺激することで現政権を揺さぶろうとする保守勢力は、まだまだ強い実情で、「対外的に弱腰」と思われるようなポーズを取る事は致命傷になりかねない事情を斟酌する必要があるでしょう。しかも目と鼻の先に米軍が駐留している島に本気で侵略してくるとはとても思えません。

さて、マスコミも自民党も今回の中国漁船船長の釈放に対して、極めて攻撃的な論調です。私は、個人的には日本政府から温家宝へ、たかだか船長一人で「貸し」が一つ出来たのだ、と理解しているのですが。では、今回一番得をしたのは誰か?私はアメリカじゃないかと思っています。在日米軍の必要性をウッスラと日本人が考え始めていると思いますから。このタイミングで思いやり予算の値上げを言い出しているのも、偶然では無さそうです。


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意図的に矮小化された争点 [政治・社会]

民主党の代表戦で「争点」とされているのが、「去年のマニュフェスト」を守るか守らないか、「消費税」をどうするか、「政治と金」などと言われている。4年後のワールドカップの監督を決めるときに、来月の試合にどんな選手を選ぶか、直前の試合で勝ったか負けたかで決めるようなものである。日本のサッカー界の現状や4年後に出てきそうな若手の可能性を冷静に見極めながら、どんなチームを作ろうとするのか、守り主体か華麗なパスサッカーか、を考えて地道にチーム作りが出来る戦略性、難しいスポーツ選手に一目も二目も置かれるカリスマ性、といった観点で選ぶべきだろう。

政治もスポーツ以上に動的で、常に変わっていく。特にこの20年、そのスピードがとても速くなっている。今必要なのは、マスコミや官僚に受けがよく、目の前の案件に反射神経だけで対応するようなマネジャーではなくて、変化の中で、日本という国をどうしたいのかを見失わずに、短期的に受けの悪い政策や外交を、抵抗や軋轢を一つ一つ潰しながら前進させることが出来る「リーダー」だと思う。

財政赤字だから消費税増税、お金が足りないから子供手当て見直し、といった短絡的な議論ではなく、例えば、65年間続いてきた米国への従属状態(国中に基地があって、毎年4000億円軍事費を取られている状態)を今後も続けるのか、議会や官僚組織のあり方はこのままでいいのか、国家として成熟から老衰期に入っているなかでどのように「老いていくのか」のほうが、どうせ不可能な「成長戦略」より重要ではないか、といった、すぐに答えの出にくい問題にある程度の勇気と粘り強さを持って取り組める政治家が必要とされているのだと思います。

菅さんはディベートも上手く、反骨精神旺盛で、私も好きな人間なのですが、「人気(にんき)」というものをとても気にしすぎると思います。政治家だから当たり前なんですが・・。しかし周りにいる官僚からの人気、財界からの人気、米国にも気に入られたい・・。他人の視線で自分を見始めると、消費税を返還する案を参議院選挙中に突然喋りだして、200万になったり、300万になったりするようなことになってしまいます。他人の視線で自分を見てしまう・・という意味では、安倍、福田、麻生と、ここの所そういう総理が続いたのは、国民にも責任があるかもしれません。

小沢さんは、「米軍は第7艦隊だけでいい」、「無駄を省いてから消費税」(=官僚のリストラは必要)、と一貫しています。「日本人」にとっては本来こうでなくてはならない当たり前の事をしようとしているだけだと私の目には映ります。米国や官僚+マスコミの視点からは極めて危険な考えの持ち主でが・・・。 個々のジャーナリストと話すと、彼らも実はこの辺を理解している人々も多いのですが、いざ記事や報道になると、物事を矮小化し近視眼的にしセンセーショナルにしてしまうのは仕方のないことなのでしょうか。


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小沢一郎氏について [政治・社会]

今日の日経の社説は「「小沢首相」に理解を得られるのか」と題して、9月の民主党総裁選挙に小沢一郎氏が立候補することに対して極めて強い警戒感を示しています。

「小沢氏は自らの資金管理団体の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件について、国会で一度も説明しておらず、けじめがついていない。この事件で小沢氏の元秘書ら3人が起訴されており、小沢氏の政治的、道義的責任は免れない。」

政治的・道義的責任は、メディアが主体となって騒ぎ立てるものではなく、有権者や民主党の議員一人一人が考えて投票をすればよいと考えます。公平を保つために、私の意見を述べておくと、小沢氏は政治資金規正法に違反しておらず、また2回も不起訴になっています。元秘書は起訴されていますが、有罪になっているわけではありません。紙面や公共の電波を使って、何度も何度も繰り返し攻撃をするようなことがあるとしたら、それはアンフェアな意図があるとしか思えません。

更に付け加えるならば、仮に個人の政治家にグレーな部分が残ったとしても、その人間をを超える優れた政治家が居ないのであれば、小沢氏に政権と日本の舵取りを任せるほうが、清廉潔白だけど無能な人間を毎年交換するよりははるかに国民のためになると思います。

誰かが「けじめ」とか「説明責任」とか意味も定義も不明なロジックを振り回す時、その人が何故声高にそういうことを言い続けるのか、隠れた意図を見通す必要があると考えます。


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清和会VS経世会 [政治・社会]

去年の9月以来です。何だか民主党が政権取ってから(特に意味はないですが・・)一度も、書いてないので、政治の話から再開しようと思います。

昨年5月に、当時の民主党の小沢代表が辞任して以来、「政治とカネ」をキーワードとしたマスコミによる民主党への批判が続いています。自分が中学校3年の時の大ニュースだった、ロッキード事件やその後のリクルート事件、佐川急便事件を思い出しました。捜査当局の関係者からの話を新聞、雑誌、テレビというマスコミが一斉に流し、渦中の政治家の人気・信頼度をとことんまで落とし、同じタイミングで世論調査をし、「支持率低下」をまたニュースにする。政治家の周囲の人間に捜査の手を伸ばし、予算委員会など国会の場で追求し、また追い込んでいく。

これほど大きな事件ではなくても、たとえば鈴木宗雄議員の時も同じでした。

あまり、戦後の自民党政治史に詳しくなかったので系譜を調べてみました。それぞれの大事件で追求された国会議員、田中角栄、竹下登、金丸信、鈴木宗雄、小沢一郎・・全員が経世会(出身)の実力者だという共通点があります。献金疑惑で1億円の小切手を受領したとされる橋本龍太郎も同じ派閥です。どうも偶然では無いような気がします。

経世会はもともとは自由党の吉田茂から始まる日本の保守本流で、どちらかというと族議員が多く、公共事業などの既得権益を多く持つ集団なので、汚職(疑惑)が起きやすいという説明には説得力があります。しかし、たとえばもう一つの大派閥清和会との比較から、あまりにも事件が経世会に集中して起きるのをそれだけの理由で説明するのは難しいと考えます。

清和会は、岸伸介、福田赳夫に始まり近いところでは森、小泉、福田、安部といった政治家が連なります。経世会との比較で誤解を恐れずにざっとした特長を述べると、官僚出身者が多く学歴が高い、安全保障その他で親米的、公人として靖国神社に行く傾向があり中国との距離を恐れない、という傾向があるといえるでしょうか。

経世会はこれに大して米国と対等の関係を望み、その分親中的(田中角栄は日中国交回復に尽力した)、政治家として叩き上げの人が多く、官僚を恐れない、といった傾向が見て取れます。

鳩山由紀夫にしても小沢一郎にしても、「脱官僚依存」を標榜し、沖縄の基地問題その他では米国追随ではない独自の立場を強調し、インド洋での補給活動もやめてしまいました。

あまり陰謀史観はとりたくないのですが、こうして並べてみると、「官僚と米国と距離を置こうとすると途端に、検察とマスコミから標的にされてしまう」ような気がするのですが。

 


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鳩山民主党代表 [政治・社会]

週末、鳩山新代表に関するTVの報道姿勢をイヤというほど見せられました。大きく分けて3つの論点でした。

1.説明責任を果たしていない小沢前代表の影がちらつくが・・。

2.民主党の歴代党首は鳩山、菅、岡田、小沢の4人しかいないのか?若返りが必要では?

3.政策と裏づけになる財源が不明瞭だ。 

鳩山新代表は、ゼロから私財までもかなり注ぎ込んで今の1998年に民主党を立ち上げた本人で、そもそも小沢前代表が民主党に入ったのは2003年になってからのことです。確かに小沢氏はわずか5年の間に偽メール問題で解党の危機にすらあった民主党をここまで持ってきたのですから、影響力は強いのは事実でしょうが、鳩山氏をあたかも小沢氏の傀儡のように見せたいのは、マスコミ側の事情でしかないと思います。 

また、結党してからわずか11年の間に前原氏まで含めれば、5人の党首が出たわけで、「リーダーが少ないという」難癖のような指摘は、鳩山氏を「過去の人」として無理やり括ることで、新鮮味を失わせようとしているだけの指摘だといえます。 

政策や財源など、政権を取得してからじっくりやればいいことで、不明瞭なのは当たり前です。事細かく政策や財源を説明すればしたで、一つ一つに言いがかりを付けて「民主党の政権担当能力には不安が残る」といったコメントで世論を誘導しようとするのでしょう。 

そもそも、小沢前代表の「説明責任」って一体なんでしょう。問題のあった計理処理についてはキチンと説明を果たしています。これ以上説明が必要だとしたら、個別の企業の献金が何故行われたのか、ということで、それこそ自民党は一切説明したことの無いことでは無いでしょうか。暴力団関係者が「誠意を見せろ」と言っているのと同じように聞こえます。 

民主党政権の実現が目前のモノになってきて、一番の恐怖心を抱いているのが、官僚機構だと言われています。検察庁も、警察も官僚機構の一部です。放送事業は認可事業で、総務省の管轄下にあります。マスコミ自体が官僚利権と全く同じ利害を持っています。 

想像してみてください。例えば、鈴木宗男が外務大臣になって、小沢一郎が法務大臣になったらどんな改革をするか(笑)。どんな手を使っても阻止したいと思うのが官僚の人情ではないでしょうか。サンデープロジェクトで誰かがいみじくも言ってましたが、「血の流れない政権交代なんて無い」と。

これからも、官僚・自民・公明・マスコミ勢力と民主党のかなり厳しい仁義無き戦いが続くんだと思います。 でも私は楽観しています。マスコミ・官僚利権サイドのなりふり構わぬ最近の対応は、彼らも相当追い詰められているんだということですから。


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いまさらテポドン [政治・社会]

名古屋のチー様。たびたびのチェックとプレッシャーありがとうございます。励みにいたします。

さて、迎撃ミサイルPAC3の当たる確率だとか、誤報だとかに随分と時間が割かれたテポドン騒ぎでしたが、一つ明らかになったことは、日米安全保障条約、日本の国土防衛の役にはどうやら立たない、ということでした。 

一般的に、日本のあちこちに米軍基地があって、しかも「思いやり予算」と呼ばれる在日米軍駐留経費負担をこれまでに3兆円(毎年2-3千億円!)も支出して米国の軍事費を負担しているのですから、有事の際は、米軍は同盟国である日本の安全のために戦ってくれる、と普通の日本人は考えていたのではないかと思います。 

しかし、日本海に展開した2隻のイージス艦も、秋田に配備されたおもちゃの様な迎撃ミサイルPAC3も自衛隊の装備であり、駐留米軍が具体的に日本の本土の防衛準備を行うことはありませんでした。少なくとも何も発表や報告はされませんでした。 

そもそも安保条約は、解釈の仕方によっては、日本にある在日米軍の軍事施設が危険にさらされた場合の防衛は宣言しているが、そうでない日本の国土の危険については想定されていないという考え方もありうる、ことは以前から指摘されていました。 

この考え方を裏付けるかのような報道が産経新聞からされていています。(以下抜粋)「ゲーツ米国防長官は3月末のテレビとの会見で、北朝鮮のミサイルが米国本土に向かってこない限り「迎撃の計画はない」と断言した。同じミサイルが日本領土に照準を合わせて発射されても迎撃対象としないという意味となる。」 

この古森氏という産経記者の記事自体を読むことをお勧めしますが、他のマスコミや政府は、今回の米軍の冷たい対応に対して一言も発していないことが問題だと思います。

 一方、民主党の小沢代表はクリントン国務長官に、「対等な関係」を強調し、別の機会に「第7艦隊以外の米軍は不要」との見解を述べて、一悶着ありましたが、今回のテポドン2号に対する米国の対応を鑑みると、見て見ぬ振りを決め込んでいる麻生自民・公明政権に比べ少なくとも小沢氏の対応は国民感情には近いのではないかと思いました。


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西松建設問題 [政治・社会]

年明けから全開で仕事してきたせいか、ブログの更新を怠っておりました。書きたいことは山ほどあったのですが、構想止まり。今日はおそらく今年一番大事なプレゼンが終わったせいか、ちょっと気が抜けて、仕事以外のことに気持ちが回りました。 

で、これは絶対書かなければならないと思い、書きます。 今回の西松建設をめぐる民主党の小沢代表の第一秘書逮捕は見過ごしてはいけないと思います。

私は別に民主党の支持者でもないしアンチ自民党でもないのですが、誰が見ても、総選挙の直前に東京地検特捜部が最初から「ざる法」の政治資金規正法を盾にとって野党第一党の党首をつるし上げる図は、「国策」以外の何モノでもないでしょう。 

一般的な国民が「何だ、小沢も汚いんだ、所詮政治なんて・・」という感想を持つだけで、投票率が下がり、組織票の強みを持つ自公にとって有利に働きます。だまされてはいけません。小沢代表がヒラリー国務長官との会見を回避しようとして米国の威信を少しなりとも傷つけた後でもあり、親米派、官僚利権、自民・公明といった既得権益を持つグループによるある種の陰謀である匂いがします。 

福祉や生活が資本の論理に蹂躙され「自己責任」の一言で、権力が弱者を切り捨て始めているこの時期に、好き嫌いは別にして、「民主党政権」以外の選択肢が残念ながら日本国民には残されていません。官僚組織が自己保存のためではなく、国民・生活者のためにイキイキと働いてくれるような国家に近づけなければならないのです。

東京駅前の超一等地のボロボロの郵便局のビルを「誰が壊したんだ」などとパフォーマンスをしている場合ではないし、刺客だの何だのに惑わされて、国民主権を発揮させうる唯一の場である「選挙」をないがしろにしてはなりません。今回の件で光明があるとしたら、この勢力もかなり切羽詰ってしまい、禁じ手まで手を出していることでしょうか。 

ただ、小沢党首は涙を飲んで民主党のために辞任して、全面的に捜査に協力することを宣言するべきでしょう。民主党は民主主義のために新しいリーダーの下で戦うべきだと思います。 

西松建設問題は国家権力による野党潰しの側面があることを忘れず、来るべき次回の選挙には必ず投票に行きましょう。


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杉原千畝 [政治・社会]

杉原千畝(すぎはらちうね)という外交官をご存知でしょうか?日本のシンドラーとか、「6000人の命のビザ」という話は聞いたことがあるかと思います。第二次大戦中、リトアニアの領事を務めていたとき、ナチスドイツの侵攻により迫害を受け始めた多数のユダヤ人が難を逃れるためにリトアニアの日本領事館に列をなしたのですが、彼らに対して、日本に入国させるための査証を6000通発給した外交官です。

当時、日本はドイツと同盟関係にあったことから、杉原氏は意図的に外務省の意向を無視して査証を発給することで、人命尊重を優先させたのですが、そのせいで、後に外務省を追われることになります。 杉原氏に歴史の脚光が当たるのは、1968年になってからの話です。難を逃れて日本経由でアメリカに渡ったユダヤ人達がその後恩義を忘れず、杉原氏を探し出したことに始まります。

 たまたま私の親友の奥さんが、杉原氏のお孫さんに当たることから、故杉原氏への叙勲式に出席させて頂いたり、この話のミュージカルを見ることなどがあって、期せずして知ることになりました。杉原氏の奥様の杉原幸子さんは昨年お亡くなりになったのですが、幾度かお目にかかることもありました。

杉原氏が身を呈して助けたユダヤ人の多くは、日本→上海経由でアメリカに渡ったと言われています。イスラエル建国に当たってはこのアメリカに渡り成功したユダヤ人社会が大きな役割を果たしているともいわれています。

かつてこれほど迫害を受けたユダヤ人が、今、ガザで大量虐殺をしています。杉原夫妻はこの現実を悲しく思っているに違いないと思います。 

更に深読みすると、ユダヤ人世界が、杉原氏を探し出し、事ある毎に表彰したり、講演会を開いたりしていたのは、もしかすると、イスラエルという国家の悪行のカムフラージュの為だったのではないかとすら思えます。この美談は、事実であったことは間違いないのですが、ことさら繰り返すことで、迫害を受けたユダヤ人、恩義を忘れなかったユダヤ人という美しい善良なイメージが日本人を始めとする国際社会の潜在意識に植付けられます。 

杉原千畝という外交官は心から尊敬します。しかし、恩義ある筈の彼の存在までも情報操作のツールに利用するイスラエルには恐怖心を抱きます。


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応急処置と自然治癒で十分か? [政治・社会]

米国の下院が、金融安定化法案を否決しました。与党である共和党に造反議員が続出したためです。このため、米国株は大暴落。今日の日本株も大きく下落しています。詳細はまだわかりませんが、事の重大さを十分に認識せずに、11月の総選挙に向けて、有権者へのアピールを狙った共和党議員が続出したのだろうと思われます。

以前にも書きましたが、宮沢総理がてこずった住専国会と似ています。また、毎週のように金融機関が破綻する状況も97年の日本の状況に似ています。しかし、二つの点で当時の日本と異なると考えられます。

一つは、日本の資本主義は米国の資本主義が派生して出来た「支店」のようなものですが、今回は本家本元の資本主義システムが異常をきたしているということです。市場には「神の見えざる手」があり、可能な限り規制緩和と自由競争が可能なシステムを構築し、後のことは市場に任せておくことが「健全」とされたモデル自体が間違っていた、という事実が突きつけられている点が異なります。

二つ目は、民主主義の限界を露呈したことです。金融安定化法案の採決をめぐり、議員の所へは、大反対のメール、ファックス、電話が相次ぎ、ウォールストリートでは反対のデモ行進が行われていました。選挙を前にした議員にとっては、金融機関の救済よりも、自分の議席の方がより重要なのは言うまでもありません。また、「ウォールストリートよりもメインストリート」、という判りやすいエキセントリックなフレーズは、日本よりもはるかに先進の「格差社会」の大衆心理に火をつけてしまったようです。

資本主義と民主主義、当たり前だと思っているシステム自体が機能不全を起こしているのですから応急処置は必要なのだと思います。安定化法案も恐らく、再度練られた上でもう一度議会が賛成しやすい形になって提出されるでしょう。不良債権が処理をされ、恐らくその過程で痛んだ銀行のバランスシートに対して公的資金が注入されるといった施策も取られると思います。

ただ、後は時間をかけて治癒を待つだけで元どおりになるかというと、そうでは無いと思われます。


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麻生総理 [政治・社会]

マーケット関係の話題が多くなり勝ちなこの頃ですが、余りこの話ばかりでも楽しくないので少し休憩。一つ言えるのは、不良資産買取機構を始めとする金融安定化法案が通ったとしても、まだまだ終わりじゃないということです。90年代の日本は整理回収機構に加えて銀行に直接公的資金を注入しました。米国もここまでするまでは、とても安心できる状態ではありません。 

麻生内閣が固まりました。郵政造反組は完全復活です。少子化大臣に小渕優子34歳に新味がある程度。暫定政権なので、閣僚の顔ぶれをとやかく言っても仕方ないので、特に「感想なし」です。 さて、麻生総理総裁ですが、麻生という人は個人的には余り好きではありません。自分の育ちが良いせいか、差別的な発言を行うことも多く、福田さんが好んだ、「大衆の目線」からは程遠い人です。

しかし、前任者二人よりは期待をしたいと思っています。 

判りやすさという意味では、「郵政民営化!」とか「美しい国日本!」といったキャッチフレーズを連呼する方が判りやすいのですが、実際の政治はもっと複雑です。竹下総理は「言語明瞭意味不明」と揶揄されながら、消費税という不人気だけれども日本にとって必要な政策に取り組みましたし、宮沢総理もマスコミの人気は今ひとつでしたがバブル後の難しい経済運営に取り組みました。 

ちっぽけな会社の社長ですら思うことの一つに、表も裏も無い、なんていうことは有り得ないということがあります。例えば、「従業員は大事だ」と理念では思いながら、会社やポジションに向いていない人、どう育成しても能力不足の人に最後どのように向き合うのか、業績を伸ばすことは大事だけれど、皆の仕事を増やしてしまう。その場合人的・インフラ面での恒常的な立ち遅れをどのようにごまかすのか、といった白でも黒でもない選択に常に追いまわされます。こういう気持ちが先立ったせいか、1年前に「社長就任おめでとうございます」と人から言われても、笑顔で返すことが出来ませんでした。決して照れ隠しをしていたわけではないのです。

自分の信念や理想を貫くことが出来ればある意味、「楽」です。誰だってお年よりは大事にしたいし、税金なんて上げたくない。しかし、何かの制度を作るとき、制度を変えるときは、そのことによってデメリットを受ける人が必ず出てくるはずです。そのデメリットを理解しながら、何かを成し遂げようとする時、誰しも歯切れが悪くならざるを得ないのだと思います。 

歯切れの悪いことを話す時、真っ当な人間であれば、苦渋の表情をしている筈です。3回目のチャレンジでやっと内閣総理大臣になった麻生さん、余り嬉しそうな顔してませんね。去年落選したときの方が余程明るい顔をしていました。今後彼が向き合わなければならない苦汁の選択の数々に、今からプレッシャーを感じている顔だと思います。個人的には好きな人ではありませんが、政治家としてはいいかもしれません。


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