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日本株をめぐる環境 [市場・運用]

日経Net Plusに寄稿しました。参考までにここにも載せておきます。
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日本株市場を巡る環境は極めて悪い。原油の99%、食料品の64%を輸入に頼る日本経済は、世界的インフレのダメージが最も強い経済の1つであろう。サブプライムショック後の米国の利下げによる円高と相まって、企業経営者や市場参加者のマインドを一気に冷やしている。

 事実、2008年度の企業収益はかなり減益の見通しとなっている。また、原材料費の高騰は賃金据え置きの格好の「口実」となっており、物価高もあって内需は当面期待できそうにない。

 輸出がダメで内需もダメ、原材料の高騰に加えて円高では、日本株を巡る環境は八方ふさがりである。だからこそ、10日間も続けて下落しているのだ。

 では、今後はどうか。市場は悪材料を織り込んでしまえば、そこから先はある程度の悪材料には反応しなくなるものだ。既に、米国経済の後退や日本経済の減速、企業業績の落ち込みやある程度の円高、そして商品相場の高騰は織り込まれたのではないだろうか。今後も似たようなニュースは続くだろうが、市場にとってのサプライズ度は既に下がっており、相場は反応しにくいはずだ。

 今の株式市場にサプライズが起こるとしたら、株価にポジティブな材料の方がインパクトは強い。最も想定されるのは、商品市況の沈静化だ。商品市況が沈静化すれば、資源を持たない国から資源国への富の移転は止まる。インフレ圧力も弱まる。

 市場の歴史を振り返ると、金融危機が起こると財政・金融政策が緩和的になり、思わぬところにバブルを生む、ということを繰り返している。1987年のブラックマンデー後の日本の不動産バブル、98年のロシア危機の後の米国のインターネットバブル。そして07年のサブプライムショック以降の商品相場も後で振り返れば「バブル」だったということになるだろう。

 日本株を取り巻く環境は極めて悪い。しかし、買い場は近いと考えたい。

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