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エンデュアランス号漂流記 [本・映画]

昔の仲間3人で食事に行った時に、私以外の二人が、この本を読んで感動した、といってひとしきり盛り上がっていました。何だか悔しいので、早速読んでみました。
「事実は小説より奇なり」という名言がありますが、まさにそれです。これがもしもフィクションだったら「そんな上手く行くはずが無いだろう」というぐらい奇跡的な生還劇です。
著者は探検隊の隊長自身(アーネスト・シャクルトン)。エンデュアランス号は、南極大陸探検への途上で浮氷に囲まれてスタックしてしまい、最後には氷圧に耐え切れず破壊され沈没してしまいます。見事なタイミングで船を見切り、不安定な浮氷の上にキャンプを張って流されるままに漂流し・・と話が続くのですが、常に氷点下の南氷洋で2年にも渡り漂流し、小船で果敢にも救助を求めて1000km以上の航海を行い、22名全員が最終的には救助されます。
シャクルトンは、その都度、極めて厳しい色々な選択を迫られるのですが、探検をあきらめた後は、22人全員を生還させるために考えられるベストの選択をしつづけます。隊員達の心と体の健康に最大限配慮しながら、冷静に希望を失わない態度はリーダーシップや使命感などという言葉が極めて軽く感じられます。
私も会社の撤退で、チームメンバーと4ヶ月間「漂流」をしたことがありましたが(笑)、命を取られるわけでも、お腹がすくわけでもないのに、不安にさいなまれたり、希望を失いかけたりしてましたので、シャクルトンの精神の100分の1でも。これからはマネ出来れば嬉しいなぉ、と思いました。あれだけのことを成し遂げたのに、著作自体は航海日誌のように淡々としていて、自己肥大しているところがありません。すんなりと心に染み込んでくる大冒険です。
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