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天満敦子、無伴奏バイオリンリサイタル [音楽]

迂闊なことに、そんなに凄いバイオリニストだと知りませんでした。 

829日(土)友人夫婦と私の3人で八ヶ岳の最南端の編笠山に登山している時に、「そういえば今夜、八ヶ岳音楽堂で、何だかバイオリンのコンサートがあるみたいだけど・・」という話になり、誰のコンサートだか判らずに山の中から予約しました。音楽堂に着くなり、友人(妻)が息を呑んで「天満敦子さん!!」というレスポンスを見せたので、そんなに凄いのかと認識した次第です。友人(妻)は、若かりし頃は音楽の道を志そうと思ったほどの人です。 

しかしいくら有名でも、何の伴奏も無く、オーケストラも無く、バイオリンたった一本で数百人の聴衆を相手にするわけですから、正直言って、コンサートが始まっても私の期待感はそれほど高まっていませんでした。 

1曲目。バッハの無伴奏バイオリンソナタ。昼寝をしたとはいえ、登山で疲れ果てていたので、絶対眠くなると思いながらの聴き始めでした。眠くなるどころではありませんでした。たった一本の楽器がこれほど多様な表情と情感を持つ音を出すものかと、引き込まれました。 

2曲目。マスネ、タイスの瞑想曲。知らない曲でした。しかし、天満さんを中心に彼女のオーラが会場全体をに拡がり、包みこんで、聴衆の心や魂の凝った部分を揺さぶり心地よく圧迫されるような感じ。眉間の裏側と首筋が熱くなるような感覚に襲われたと思いきや、自分がボロボロ涙を流し始めていることに気がつきました。 

3曲目。G線上のアリア。誰でも知っている曲です。過去に自分が色々な想いで聴いたこの曲の、全ての記憶と感情を引き出して揉み解されるように感じました。悲しいわけでもなんでもないのに涙のピークでした。 

友人()によると彼女は若くして「ロン・ティボー国際コンクール」で入賞し、30年バイオリンを引続けている天才です。八ヶ岳では10年間毎年来てるのだそうです。アンコールに応えながら、「また来年も来てねえ」と小さく手を振る姿がとてもチャーミングでした。 

中休みのときに、最近トランペットを始めた友人()が、タバコを吸いながら「音楽家が八ヶ岳音楽堂にあこがれる気持ち、判りますよね」と言っていたのには受けました。


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