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相場見通し [市場・運用]

日本経済新聞の電子版の取材で、目先の相場見通しについてお話したら「マネー・マーケットonline:コラム - 相場を読む」に8月18日に掲載されました。1週間経つので掲載しておきます。 

-----------(ここから引用)-----------

世界景気の減速懸念から株価は下落局面にあるが、あまり悲観はしていない。米国景気失速への警戒感は強いが、米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景況感指数など、一部の経済指標市場予想を上回っている。潜在成長率は落ちているだろうが、雇用情勢のもう一段の悪化は考えにくく、米景気は緩やかながら確実に回復していくとみている。欧州では、独4~6月の国内総生産(GDP)の伸びにみられるように、ユーロ安が下支え役になっている。中国経済の拡大も中長期的に続くだろう。企業業績の回復が鮮明になるであろう10月以降から再び株価は上昇に転じるとみている。年末の日経平均株価は1万円手前ぐらいにはなるだろう。ただ、為替相場に左右されやすい相場環境であることには変わりないため、投資心理が簡単に楽観に振れる状況でもない。各国が新興国への輸出拡大を狙って通貨安政策をとるなか、日本円は買われやすい。日経平均のPBR(株価純資産倍率)は1倍に近い水準だが、投資家のリスク許容度は改善しておらず、割安だから買うという単純な話にはならないだろう。(聞き手は川路洋助)

--------(引用終わり)-------------

円高と株安を予測しているのですが、とりあえず、目先の1週間はその通りになってしまいました。

15年前の1995年に79円台があったのを明確に覚えています。当時、NYに在住していて、ドル建ての給与を貰っていたのですが、円換算の手取りがあっという間に減っていきました(笑)。ドルで給与を貰っていたので、ドルで貯蓄をしていましたから、翌年の春に帰国するときに、円転したら、「これしか貯金できてないのか」と悲しく気持ちになったのを思い出します。

15年前と比較して、日本の物価はほとんど上がっていません。牛丼やハンバーガーやカジュアルな洋服は当時よりも安いとさえ言えます。これは、モノで換算したときに、円の価値が上昇していることを意味します。一方、この15年間、他の先進国の物価は確実に上昇しています。すなわち、円以外の通貨の価値は15年前よりも下がっているわけです。

これを反映させると、円が高くなるのは「当たり前」です。84円で、日経新聞を初めとしたメディアが、政府の無策をバッシングし始めていますが、これはお門違いでしょう。80円を切って円高になっても、止まらないと考えた方がよさそうです。日本株と為替は90%近く連動しますので、しばらくは逆風です。まぁ、マスコミが円高を嫌がり政治にプレッシャーを与えるのは、輸出企業からの広告費が収入の大半を占めるのだから仕方の無いことですが(笑)。消費者や旅行者にとってはプラスの方が大きいのは明確なのですが。

加えて、下落しているのは日経平均だけではなくて、世界中の株式が下落トレンドにあります。日本株だけが逆行して上昇する理由もなく、もうしばらくはシンドイ相場かな、と思います。

ただ、企業収益は米国も日本も悪くありません。株価の最後のよりどころは、GDPでも雇用でも住宅価格でもなく企業収益ですから、悲観が行き過ぎたところで逆転すると考えます。しばらく株は静観して、市場の関心が企業収益に戻ってきたら、チャンスだと思います。


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