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気骨の判決(新潮新書) [本・映画]

中学の歴史教科書で「大政翼賛会」なるものが戦時中あった、という記憶だけは残ってましたが、どういう経緯でどのように出来たのかはオボロゲな記憶でした。東条英機内閣が、反対勢力を封じ込め、議会を無力化することで、戦争を遂行するために、国会議員の80%を「推薦議員」と呼ばれる議員で占有する背景で、数々の選挙違反、妨害、脅迫などが行われていた実態を裁判を通じて明らかにし、国家に逆らう「違憲判決」を出した裁判官、吉田久に焦点を当てたノンフィクションです。
著者は清水聡氏というNHKの記者で、そのためか、小説にありがちな劇的なタッチでは書かれていない。どちらかというと、事実を積み重ねるアナリストのレポートのような筆致です。静かに、少しずつ内容に引き込まれていきます。そして事実だけが持つ重さ、感動を与えてくれます。こんなことが二度とあってはならない、と思わせる内容です。特に、マスコミと政治の距離感がおかしくなっている昨今、過去の悲劇をしっかりもう一度見つめなおす必要が今の日本にはあるのではないでしょうか。
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