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2009年、相場見通し [市場・運用]

明けましておめでとうございます。今日の大発会は随分と上昇して終わりました。今年の市場、特に日本株の相場観について纏めておきたいと思います。

  1. PERで見た現在の株価の位置
    昨年10月に急落した時のPER(株価収益率)は一瞬でしたが10倍を切りました。それまでの2、3年間概ね13倍~20倍の間で推移していましたので、かなり割安になったと感じた向きもあったかと思います。しかし、PERは株価が上がらなくても、企業収益が減少すると、上昇(=割高になる)してしまいます。12月末の状態で、PERは既に15倍を超えています。新興国市場が8倍程度、世界株全体で10倍程度であることと比較して、割安感はありません。しかも、日銀の統計では、2009年3月期の税引き後利益こそ、20%の減益になっていますが、売上はまだ3%の増収を見込んでいます。12月に発表された鉱工業生産が、前年比16%のマイナスだったことを考えると、売上は10%程度の減収になると予想され、PER15倍の前提になっている企業の収益見通しがまだ甘い計算になっていると言わざるを得ません。仮に2009年3月期に30%の減益を見込むとすると、日経平均で9000円という株価水準は、PERで18倍近い水準になります。ここから先の上値は限られていると見たほうが安全だと思います。
  2. 2010年3月期、増益するのか?
    もしも、現在の株価水準を正当化できる何かがあるとすると、市場が、2010年3月期の増益を織り込みに行っている、という理由しかありません。しかし、米国の住宅市場や雇用環境を見るところ、1年程度で景気が底入れをして上昇基調になる兆しは全くありません。むしろ、金融不安はある程度落ち着いたものの、景気の低迷はその端緒についたばかりと考えた方が良いと思われます。これに対して、企業は、なりふり構わない合理化・コストカットで対応を開始していますが、これが却って消費者の心理を凍りつかせており、国内外の消費の低迷を招くという悪い循環に陥っています。生産を20%も減少させたのに、まだ在庫が増えている状況が如実に物語っています。この在庫が減少に転じ、生産が増加に転じ、雇用と消費にある程度の明るさが戻ってくるまでにはまだ時間がかかると思います。今年の前半は、アメリカの新大統領の就任に対する期待感や、大型の財政出動などで一息つく場面もあると思いますが、そうした効果が出尽くした秋以降、また経済と市場が下向きになる可能性が高いと思います。加えて、米国における巨額の財政出動は、国債の増発に頼らざるを得ず、ドル・円の為替レートはどうしても円高傾向の圧力が続くと考えます。輸出産業にとっては、さらに厳しい環境が続くと予想します。今年の3月期の決算で30%の減益、2010年の3月期で更に20%の減益を織り込むとすると、株価はPER14倍で日経平均5500円程度、PER20倍で7900円程度のレンジになります。4-5月に新年度入りして、決算発表時の年度見通しで弱気な数字が並ぶ時期には、株価への下押しの圧力がかかる可能性が高いと考えます。日経平均で6000円以下の水準も覚悟しておいた方がいいでしょう。
  3. ではいつ買えばいいのか
    日本で90年にバブルが崩壊してから、18年が経過しますが、未だに長期的な往来相場が続いています。今回の景気後退の構造的な深刻さを考えるならば、こうした往来相場がある程度長期にわたって続くことを覚悟しておいた方が良いかも知れません。しかし、一方で、世界に60億人の人口がある以上、モノが何も売れなくなる、ということはありません。自動車にしても買い替えを1-2年我慢できたとしても5年も我慢することはできません。必ず、不況の後には景気の回復局面・増益局面が来るはずです。この観点からは、今年は絶好の投資チャンスだと捉えるべきだと思います。日経平均で6000円程度に差し掛かったら、投資のタイミングと考え、2-3年のタイムホライズンで仕込んではどうでしょうか。10年単位の長期投資には向かないと思いますが、取り合えず、2-3年程度の中期投資のタイミングは今年やってくると思います。

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