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株式市場の振り返り [市場・運用]

 年初に弱気見通しを出してから、もう5ヶ月経ちました。3月の前半にかけてかなりの下落をしましたがその後、政府の関与による金融不安の後退、景気刺激策への期待から世界の株価はかなり回復し、日経平均は現在9000円台の位置にあります。 市場や巷の論調も楽観的なモノが増え、「最悪期は脱した」「明るい指標が増えてきた」「株価底打ちへ」といったムードがコンセンサスになりつつあります。 

えっ?100年に一回の未曾有の危機じゃなかったの?とは誰も聞かないんですよね。もしも、こんな簡単に回復するのであれば、通常の景気後退期よりも、期間的には短かったことになります。本当でしょうか(笑)? 

私はここまでの回復はいわゆる「ベアマーケットラリー」だと考えます。下落局面での一時的反発局面のことです。大きな下げ相場が続く時、一方通行でずっと下がることはほとんど無く、3~5ヶ月程度の反発局面を繰り返しながら下落していくことが通常です。3月以降の上昇相場はまさにこれで、ボールを地面に強く叩きつけるほどバウンドも大きくなるように、2月までの下落が激しかった分、リバウンドも大きくなっているに過ぎないと考えるべきだと思います。 

根拠は山ほどあります。 

一つには、生産が「増加」に転じたと喜んでいる振りをしてる人が多いですが、在庫の整理がすんだせいで、減らした生産のほんの一部を再開しているだけです。生産の水準自体は全然ですし、コンスタントな成長に回帰しているわけではありません。 

米国の金融危機はこれからが本番の可能性があります。整理されたのは、まだリーマンとクライスラーの2社だけじゃないですか。住宅価格は下落を続けています。リバウンド的に一部の中古住宅販売件数が増加に転ずると「明るい兆し」などと報道されることもありますが、日本の不動産バブルの処理にかかった年月を考えると、まだまだ時間はかかります。 

中国の需要が日本の輸出を下支え、などという楽観論も増えていますが、中国がこれまで日本から輸入してきたものは、基本的にアメリカへの輸出拠点としての製造機械や部品がメインです。一方、最近の中国の需要は、鉄道だの道路だのの内需が中心なので、まぁコマツなどの建機の輸入は増えるかもしれませんが、ハイエンドの車や電化製品はまだまだと考えたほうがいいでしょう。

また、53兆円といわれる中国の景気刺激策もいつかわ効力が切れるので、その後のことを心配した方がよさそうです。 

日本の国内で薄型TVがやっと売れ出したなどという明るい兆しもありますが、TV自体が更新需要(買い替え)しかないので、経済成長にはさほどの貢献は考えにくいです。 米国が財政出動や金融機関の救済で100兆円近い財政赤字を増やすといわれており、どう考えてもドル安円高基調からは逃げられません。日本の輸出産業にとってはまだまだ厳しい環境が続きそうです。


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