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小沢元代表無罪判決について [政治・社会]

備忘録的に、検察審査会による強制起訴の一審判決が無罪になったことについて、書き留めておきたいと思います。

まず、報道は、「限りなくクロに近い無罪」と言うトーンが強く「小沢氏は無罪になっていても、道義的責任は免れない」「国会に出てきて釈明すべき」と言う論調が多く見られました。本当にそうなのか、過去に遡って私見を述べておきたいと思います。

2009年の3月に時間を戻すと、この時この問題は「西松建設事件」と呼ばれていた。東北の有力な(野党の)政治家である小沢元代表とその事務所から、西松建設から違法な献金を受け取り、世田谷に土地を購入した、と言う容疑だった筈である。この年の8月に、総選挙が予定されており、政権交代が見込まれる直前に、野党代表の秘書を「逮捕」した事件が事の始まりだった事を思い出して置きたい。

しかも、西松建設から献金を受け取っていた政治家は18人、そのうち15人は自民党議員だったにも関わらず、警察出身の漆間官房副長官が「自民党議員は対象にならない」とオフレコ取材で発言した。これは、「野党第一党の党首であるから、捜査対象になった」と言っているのと同義で、国策捜査であると認めたのと同じです。政権交代を何とか阻止したい当時の与党と官僚組織の思惑の結果始まったと考えるのが自然だと思います。

この点について、メディアは当初から、リーク情報を「垂れ流し」にして、意味も意図も不明確な「説明責任」「政治とカネの問題」という単語を連発していました。こちらにも、相応の「意図」があったのでは無いかと、少なくとも私は感じました。例えば、なぜか消費税の対象から外れている、新聞代とか、地上波放送という官との癒着の「大きそう」な放送権益とか・・。

当初、野党第一党の党首を上げるんだから、検察はそれなりの裏を取っているのかもしれないなぁ、政治家なんだから、綺麗ごとばかりじゃないだろうし、と私も思っていました。しかし、3年かけて、ありとあらゆる捜査をして、その結果が「不起訴」でした。一節では20億とも30億ともいわれる捜査費用と人員を投じても、小沢元代表を起訴することすら出来なかったということです。

それで何をしたかと言うと、検察審査会という制度を使って、素人の審査会のメンバーに恣意的に「嘘」の情報まで流して、強制起訴に持ち込んだのが今回の裁判でした。しかも「西松事件」なんて何処かに行ってしまい、容疑は「虚偽記載」。帳簿にちゃんと書かなかった、というだけの容疑です。しかもそれすらも、無罪です。

この「道義的責任」とか「説明責任」とか「限りなくクロに近い」と言うのはどういうことでしょうか。一体、この3年間に何があったのか、判る様に説明するのが「メディア」の責務ではないでしょうか。

また、民主党政権も、管、野田とマニフェストになかった消費増税をひた走ってます。官に取り込まれてしまったとしか考えられません。その意味で、現政権の誰もが「元代表の無罪」を喜ぶ風では無く、「最高裁まで行って無罪になったら(しぶしぶ)党員資格を復活させてもいいなじゃいの」と言っています。

次回の総選挙の争点は、消費増税を可とするか不可とするかになるべきです。民主党vs自民党では、そういう争点になりにくいでしょう。消費増税不可の軸を持つ勢力は元代表とその周囲の議員団しか無いと私は考えます。これは、官にとっても現政権にとっても自民党にとっても極めて「都合の悪い」状況です。スムーズに党員資格を回復し、次の民主党総裁選に立候補できることを、私は強く願いますが、困難は多いだろうなぁ、と思っています。


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plant

正論だと思います。
あたかも巨額の贈収賄が問われた裁判であるかのような報道に、世論がミスリードされていますね。
私は、民主党や現在の小沢グループの政策・政治姿勢の多くが嫌いですが、非論理的な印象操作で特定の政治家が排除されるような状況はもっと嫌いです。
by plant (2012-05-07 20:07) 

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